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TAKASHI TSUDA / hofli WEB SITE

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津田貴司『風の輪郭』

2011年夏リリース。

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アーティスト:津田貴司
タイトル:風の輪郭
(STARNET MUZIK , ZN-1123 , 2500yen)

STARNET

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いつも同じようであって、同じではない
様々な時間を伴い、変化していく
その流れを音で書きとめて、新たな風景として見せてくれる
このCDを聞く時、僕はいつも森に、海へと還って行く

---川崎義博(アーティスト)


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soundscape recorded between 2001 ~ 2009
in YAEYAMA islands, TENKAWA village, and many other places
sound processed / composed between 2001 ~ 2009 by TAKASHI TSUDA
recorded at STARNET on 8th april 2010
all recordings & mixing by TAKASHI TSUDA in april 2010
mastared by SHOJI HIROMITS at sara disc in june 2010
photos by Kohshi Baba

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制作ノート

風の匂いは 遠く近く 旅の記憶を運んでくる
その輪郭を 音によって象ってゆく
かぎりなく気配に近い 静謐な音響写真集


このアルバムは、これまでhofli名義で製作してきたサウンドスケープに基づいた作品の集大成とも言えるものである。
2001年頃から製作してきたこれらの楽曲は、全て何らかのフィールドレコーディング音源を電子変調、もしくはその音風景に沿って楽器や音具を演奏したものであり、音風景から心象を「抽出」することに主眼があてられている。
今回『風の輪郭』というタイトルで作品としてまとめるにあたって、すでに発表した楽曲のフレーズや音響も、全てSTARNETにてTaguchiの無指向性スピーカーから流したものにマイクをあて再録音し、再構成している。

1.「朝凪」
朝凪の浜辺で録音した波音から音の揺れを抽出、波音の強弱がたゆたう音像に変換されている。
かすかに聞こえるのは千鳥の声だろうか。風がそよぎ始める前の、静止した時間の層である。

2.「みぎわ」
水にまつわる楽曲のうち、もっとも古いもののひとつ。水の入った小さな瓶や巻貝の貝殻で演奏した音を変調。
海風から竜宮へと連なる経路を辿るように徐々に音像が変化し、最後はゆらめく倍音の渦に飲み込まれていく。
ここでは水そのものではなく、風や意識の流れをテーマとしている。

3.「ひだまりひろば」
檜原村にて録音した山風の音に基づいて製作。
いつしか記憶は益子の里山と重なり、穏やかな風の吹く日当りのよい草地を思い浮かべた。
下草は乾いて、背中に当たる陽光があたたかい。

4.「岬への小径」
竹富島、黒島を旅しながら録音したときの心象である。
光はまばゆく、風は潮の薫りを含み、珊瑚砂の細道はまっすぐで、なにもかもが白い。
森羅万象の響き合う様は静謐で、いつまでもただ光を浴びていたいと思った。

5.「銀の雫」
森を散歩している時に見つけた湧き水は、水琴窟のような響きを奏でていた。
木陰で風はそよぎ、光は穏やかに揺れていた。
変調は一切加えず、ほぼ録音したままの音源である。

6.「椎の森を抜けて」
岬からの帰り道、椎の森を抜けて、木陰の小径をたのしむ。
太陽はゆっくりと傾き、風がひんやりと心地よい。あたりは蒼く、コノハズクが鳴いている。
この音は風に乗って、益子の森で感じた心象と重なった。

7.「桟橋あたりで」
桟橋あたりでみみをすまして佇む。潮の引いた干潟では、ちいさな生物がぷくぷくと呼吸していた。
風はそよそよと流れ、空に星座が瞬きはじめ、神話的な時間の流れを感じた。

8.「天の河」
アルバム冒頭からリフレインして、風は凪いでいる。
ギターによるテーマは、くり返す波の周期に沿って演奏したもの。
このテーマが入るところから、一気にあたりは天川の深山の風景へ。
清冽な谷川の音を聴きながら、心象は天空へと向かう。






























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by hofli_works | 2010-11-23 12:28 | 津田貴司の作品
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